叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
キレイな字を書くんだなぁ……。
ゆっくり、ノートを使いながら会話をいくつかした。
そしたらいつの間にか到着していたようで、彼女が立ち止まる。
「ここか!」
確かにパンフレットで何度も確認した金城高校の校舎と同じ。やっと見つけた。
喜ぶ俺に微笑む相沢優夜。
まじで助かった!
学校の場所がわかんねーとかしゃれにならねーよ。ほんと。
これで明日から心配なく学校に通える。
「ありがとう!助かった!」
ううん、と顔を振る彼女。
風が吹いて桜の木がざわざわと揺れた。
「俺、水田冬樹。そういえばさっき言ってなかったから……」