叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
驚いた様子のおばさんが「あら、ごめんなさいね」と申し訳なさそうに謝る。
「あんまりユウカちゃんにそっくりなもんだから……」
『…………』
「ユウカちゃんは私が経営しているお店の常連さんだったから、顔を見なくなって寂しかったのよ」
勘違いしてごめんなさいと何度も謝る物腰の低いおばさんにこっちが恐縮してしまう。
……そんな謝らなくても。
その時なんとなく相沢の顔を見ると、目を見開くほど青ざめていて。
倒れてしまうんじゃないかと心配してしまうほどだった。
どうしたんだよ、相沢。
「あい、ざわ……?」
今にも消えてしまいそうな彼女の名前を呼ぶと、相沢はもう限界と言わんばかりに手に持っていた本を適当にその場に置いて走り去ってしまった。
「あ、相沢……っ!?」
明らかにおかしい相沢の様子に「し、失礼します!」とおばさんに一礼してから夏沙の手を引っ張って後を追いかけた。
相沢……!?
いったいどうしたんだよ……!!