百円のコーヒーじゃやだ!


「一本しか飲めないじゃん。私が、貰うからね。

これこれ、早くお金入れてよ!

握りしめ過ぎて手にめり込んでるじやない!

たった一本の缶コーヒーでこんなに、怒鳴る悲しく寂しい十代最後の冬って感じ かな。

しかし、マジでめり込んでるあんなの初めて見た。」




「綾香、おまえが飲めば、俺は幸せさっと渋くいってみる、もみあげに渋すぎる白髪が、混じり始めた四十代の冬って感じかな。

だが、待てよ。手にめり込んでる。

スゲーめり込んでる!

このままじゃ取れないどころか一生百円玉と暮らさないといけないかも…手と一体化してる…

おわり…」






二人の間を強い風が、吹き抜けていた。













おわり

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