君と私の初恋にっき
√1 初カレ
初めは新しいことだらけの高校生活も、2週間が過ぎようとしていた。
その頃には大抵の事に慣れて、友達も出来た。
何もかもが楽しくて、不自由なんか無かった。
「愛歌!帰ろっ」
ぴょこんっと私の前で笑っている。
《藤井 菜々》
私の友達。
中学は違うんだけど、私に一番最初に話しかけてくれた優しい女の子。
明るくて、他の子ともすぐに馴染んでて…
人見知りの私とは真逆の太陽みたいな子。
憧れかな。
「ねぇ!今日クレープ買って帰ろー」
鼻歌まで口ずさみながら楽しそうに喋る菜々。
「良いね!クレープ久しぶりだから楽しみ♪」
と、いうことでクレープを買いに行こうとした時、教室の前のドアから声が聞こえた。
「あ、い、いた…ほ、星川さん」
顔に見覚えの無い男の子だ。
同い年かな?
私に用事らしい。
「何?」
「あのー…少し、良いかな?」
何でか分からないけど、何故かその男の子は頬が赤かった。
しかも、菜々がニヤニヤして私を見ている。
「少しと言わず今日貸しますから!じゃ、あたし帰るわ!またね、愛歌♪」
そう言ってさっさと帰ってしまった。
んー…どうしよう…