SトロベリージャM
「拓斗。もう、いいかげんに止めなさい。子どもが、大人の話に首をつっこまなくていい。ダイもいちいち子ども相手に本気にならない。」


玲は、下を向いていた実野里のことが気になったのか、急いで2人に注意を促した。


だが、実野里はサッと上を向き、妖艶な笑みを浮かべた。


「みんなだって、わたしに秘密にしてることがあるんでしょ?だから、あいこだよ。わたしには、その真実が分からないし、無理やり知ろうとも思わない。だから、今回のことも教えない権利だってあるよね?拓斗君?」


「あ~はい・・そうです。」


珍しく素直に答えた拓斗。


そして、秘密に気付かれたかもしれないという焦りが、3人に見えた気がした。


だが、その焦りの2/3は、別の原因があった。


実際は、実野里が初めて浮かべた悪戯な笑みに、心奪われていたのだ。


しかも、上目遣いときた。


彼らは、実野里のギャップに弱いようだ。


実野里の必殺技は、この年になって更に威力を増していた。



< 144 / 225 >

この作品をシェア

pagetop