SトロベリージャM
動き始めたジャム
2月も後半、寒いけれど、春の息吹や足音が感じられる季節。
春が待ち遠しくなる中、1週間前にその事件は起きた。
ある晴れた休日、いつものように、出来上がったジャムを小瓶に詰めているときだった。
いつも優しく鳴るはずのドアのベルが、防犯ベルにもなるんじゃないかと感心するくらい激しく鳴った。
勢いよく開いたドアの前に立っていたのは、ドライフルーツ屋の美代おばあちゃんだった。
美代おばあちゃんは、少し青白い顔で息を切らしながら、目を見開いていた。
「美代さん!!どうしたの!?」
かなり、慌てて走ってきたせいか、なかなか上手く喋れないようだ。
「み・・みのりちゃん、落ち着いて・・聞いとくれ・・よ。」
わたしは、美代おばちゃんの背中をさすりながら、次の言葉をを待った。
「あのな、さっき、今日の新聞を見たんや。そしたら、うちらの住んどる所に大型ショッピングセンター、大型エンターテーメーン・・エンターテイメート・・センターが建つんじゃと!!エンター何とかはよく分からんが・・。」
「エンターテイメントだよ。ちょっと、その記事見せてもらっていい?」
実野里は、意外に冷静だった。
(大型施設を建てるには、綿密な計画が必要だから、数年先に行われる可能性が高いはず。何年先かによって、対処が変わってくる。そっちが動くなら、こっちだって動くわ。大人しく待ってるなんて思ったら大間違いよ。)
春が待ち遠しくなる中、1週間前にその事件は起きた。
ある晴れた休日、いつものように、出来上がったジャムを小瓶に詰めているときだった。
いつも優しく鳴るはずのドアのベルが、防犯ベルにもなるんじゃないかと感心するくらい激しく鳴った。
勢いよく開いたドアの前に立っていたのは、ドライフルーツ屋の美代おばあちゃんだった。
美代おばあちゃんは、少し青白い顔で息を切らしながら、目を見開いていた。
「美代さん!!どうしたの!?」
かなり、慌てて走ってきたせいか、なかなか上手く喋れないようだ。
「み・・みのりちゃん、落ち着いて・・聞いとくれ・・よ。」
わたしは、美代おばちゃんの背中をさすりながら、次の言葉をを待った。
「あのな、さっき、今日の新聞を見たんや。そしたら、うちらの住んどる所に大型ショッピングセンター、大型エンターテーメーン・・エンターテイメート・・センターが建つんじゃと!!エンター何とかはよく分からんが・・。」
「エンターテイメントだよ。ちょっと、その記事見せてもらっていい?」
実野里は、意外に冷静だった。
(大型施設を建てるには、綿密な計画が必要だから、数年先に行われる可能性が高いはず。何年先かによって、対処が変わってくる。そっちが動くなら、こっちだって動くわ。大人しく待ってるなんて思ったら大間違いよ。)