SトロベリージャM
「実野里、もっと声聞かせて。俺の妖精、愛してる。」


何も身に纏うものもなく、揺さぶられながら、見下ろさるほど、恥ずかしい体勢はないと思った。


「だ・・大地っ・・。っ大・・地っ。わ・・たしもっ。」


今、わたしは、あなたの瞳に可愛く映っていますか?





「ずっと、実野里と1つになりたかった。本物の大地として。」


大地の呼吸も、少し乱れていた。


「わたしも・・よ。あなたしか・・見えなかった・・っ。過去も今も未来も、大地しかいないの・・っ。もう、離れないって・・約束してっ・・。」


「当たり前だろ。俺も実野里しか見えない。今もこれからも。」


2つの重なった聖域は、愛を確かめ合うと、更に熱くなった。


わたしの鳴き声は、アンダンテからアレグロへとテンポが変わった。


全身全霊で大地を感じる心地良さが、わたしを翻弄していった。


もう少しで、わたしたちは、聖域の核を刺激し合い、頂点に達し、1つになるだろう。



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