SトロベリージャM
忘れられないスロトベリー
ここで、一つの疑問が浮かぶ。
実野里には恋人はいなかったのか?
いなかったのではなく、作らなかったと言うのが正しいだろう。
大学でも、何人かに告白されたこともあったが、全て断った。
「今まで通り、友達でいてください。」と。
ずっと忘れられないのだ。
苺を育てながら、大樹を見る度に思い出される、幼かったときの初恋。
苺ジャムを作りながら、味見をする度に湧き上がる、甘い気持ち。
時を更に巻き戻さなければいけない。
実野里が生まれ、気付いたときにはもう、彼がいたのだから・・