ゆるふわなキミ


久々に嫌なこと思い出したなぁ。

朝、鏡に写る自分の疲れた顔を見てため息。
それも全部あのゆるふわのせいだ。
もう二度と会いたくない。


って思ってたのに……


放課後。万が一もあるしと思って早く教科書を入れて、素早くユカに部活頑張ってと言って、素早く校門を抜け。。。

「よっ!萌ちゃん♪」

ーーられませんデシタ。

逃げようと思っても相変わらず手を掴まれてムリ。
しかも昨日より多くなった女子に囲まれてて、ゆるふわが愛想よく対応してるからますます逃げられない。

嫌な視線がグサグサ刺さる。

「ごめんね。オレ、これから用事あるから。また遊んで」

にっこりとアイドル級の笑顔で女子はノックアウト。
私の手を引いて何事もなかったように歩き出すゆるふわ。

人懐こい可愛い印象だけど、私はコイツの本性を知ってる。

「あーっ。やっと抜け出せた!
あーゆーの疲れるしウザイよなーっ」

浮かべる笑顔はさっきと同じ。
なのに口から出る言葉は最低なものばかり。




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