ゆるふわなキミ


「入るわよー!
わざわざ息子のために来てくれてありがとうねー。これ、よかったらどうぞ」

ガチャッとドアが開き、ゆるふわのお母さんが入ってきた。
手にはお茶やケーキが乗っかったお盆。
ゆるふわのお母さんって、納得出来るほど美人。優しそうな笑顔がすごく素敵。

「あっ、すみませんわざわざっ。
でももう帰りますからお構いなくっ」

そう言ってペコリと頭を下げる。

「まぁ、うふふっ。ご丁寧にどうも。
タクミと違って礼儀正しいのねー」
「……うるせぇよ……」
「気にせずゆっくりしていって。
とても美味しいのよ、ここのケーキ♪」

う……

そんな優しそうな笑顔をされると断れない……

「じゃあ、もう少しだけお邪魔します」
「うふふっ。ごゆっくり」

ぱたんっ。

少しだけ、お母さんが出ていったドアを見つめ……

「萌ちゃん、ケーキ好き?」


…………っ!


「あ、クレープ好きだし、ケーキも好きだよな」

ニコニコしてゆるふわが問いかけてくる。


――春日さんはケーキ好きでしょ?
春日さん可愛いからそういうの似合うしね♪甘いもの好きそう♪


「………………」


ケーキ好きそうって言われるの嫌い。


なのに……


「……好……き……」


食べたケーキは本当においしかった。。。


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