ゆるふわなキミ


「ヤッホー萌ちゃん♪勉学お疲れ様!」

帰ろうと校門まで行くと。
やっぱりいました。女子に囲まれるゆるふわが。

「じゃ!また遊ぼうぜ~~♪」
「絶対だからねタクミっ!」
「マジカラオケ楽しみにしてるから!」
「俺も楽しみにしてる♪じゃな~~!」

手を降って女子達と別れるゆるふわを横目に通り過ぎ。。。

「さっ行こうぜ♪」

――られませんデシタ。

「今日はどこに行く?ショッピングデートとかでもいいな~~♪」
「……カラオケ……」
「お!行く?俺歌マジで上手いよ!」
「じゃなくて!私のことは構わずに行ってきたらどうですかっ?」
「何ヤキモチ?大丈夫だって!萌ちゃん以外眼中にねーから!」

……わかってはいたけど……
何を言っても通用しないよこのゆるふわっ……!

さっきとは違う意味で大きくため息をつく。
その間にもゆるふわは私の手を掴んでどんどん歩みを進めていく。

「だいたい!なんでいつもいつも校門にいるんですか!待ち伏せとかやめ――」

言葉も終わらないうちに、ゆるふわが私の顔の前で手を開く。

「逃げないんでしょ?」

うぐっ……

目の前にある手がピースサインを作る。
言葉につまった私に満足したのか、ゆるふわは再び私の手をとって歩き出す。

「今日は~ショッピングデート~♪」
「かっ!勝手に決めないで!」




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