ゆるふわなキミ
ぐるぐる
「あ!きたきた!おーい!」
私に向かって手を振っているのではアリマセン。アリエマセン。
ゲッ!しかも手を振るゆるふわの周りにいるの、私のこと嫌いとか言ってる女子じゃん!
ますますアリエマセン!
「あ!ちょっ……」
早足で歩いて、校門をくぐり抜け。。。
「……っと!待ってね」
ーーられませんデシタ。
足遅くて悪かったな!背が小さいんだから歩幅も小さいの悪い!?
なんて逆ギレしながら、掴まれた手を振りほどこうとして、
ーーうっ……!
見えたのはゆるふわの周りを囲んでた女子達のあからさまな嫌な顔。
そして。
そんな顔なんか霞んじゃうようなゆるふわの爽やかで愛くるしい笑顔。
「……あ……やだ。タクミクンってば、春日さんのこと待ってたんだ」
笑いながら言ってるけど、ひきつってるよ。女子その一。
「うん、そうなんだー♪
一緒に待っててくれてありがとう。
また今度遊びにいこ♪」
「うん!」
「絶対メールするから!」
「また遊ぼうね!」
ついていけなくてポカンとしてる私の肩を抱いて、女子達に手を振りながら歩いていくゆるふわ。
それについていく事しかできない私。
いや、あの、ちょっ……