どうしようもない幼なじみに…



「ちょっ――」

 桃花が俺を見上げて声を上げる。

「泣けよ」

 俺は桃花の背中に腕を回した。

「はぁ!?」

「泣けっつってんだ。泣くの我慢するとすっきりしねぇだろ」

 俺が言うと、

「泣くから離れて!」

 桃花がヒステリックな声を上げる。

「オマエが泣いたら…離してやる」

 言った途端。

 着ているTシャツがじんわりと濡れる感覚。

 桃花の、涙の冷たさと、顔の温もりを感じた。

「…部活廃部は、やっぱきついよ…」

 桃花がそっと呟く。

「…ごめんね、大和…。約束…っ、守れなくて、ごめん…っ」

 俺は桃花のピンク色の髪を撫でた。

「気にするな。それに、オマエがバスケを諦める必要はない」

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