どうしようもない幼なじみに…
私はとりあえずそんなリアクションをとった。
「あ、桃花っちのお弁当、かわいいっすね」
凌太は言うなり、私のお弁当箱に手を伸ばした。
「え?ちょっ…?」
「一個もらうっすよー」
凌太はそう言って私の作った卵焼きを口に放り込んだ。
男子にお弁当あげるのって…そういえば初めてかも。
そんなこと考えたら、胸の鼓動が激しくなっていった。
「あ、無茶苦茶うまいじゃんっ」
恥ずかしいけど、私…つい最近まで料理は作れなかったんだよね。
夏合宿のあと、大和に教えてもらって作れるようになったんだ。ちなみにいうと、卵焼き作れるようになるのに五時間はかかったんだー。
「合宿の時も作ってくれりゃよかったじゃん」
「でも、栄養偏っちゃうし」