どうしようもない幼なじみに…



 大和side

 自分でもよくわからねぇ。

 ただ、桃花を見た途端、衝動的に家の中に連れ込んでいた。

 しかも、自分の部屋まで引きずってってるし。

 桃花の顔は、完全に怯えていた。

「桃花…」

 俺は桃花の名を口にした。

「俺、ずっと勘違いしてた」

 言うつもりのなかった言葉が勝手に口をついて出てくる。

「え?」

「俺、ずっと両思いだって思ってたんだ…」

 桃花の顔が赤くなった。このまま、本音言ったら俺たち、幼なじみとして崩壊する…よな?

「バスケと、両思いだって思ってたんだ」

 桃花と、って言いそうになるのをどうにか押さえ、俺はバスケと、と言った。

「え?」

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