どうしようもない幼なじみに…



「バスケと、両思いだって思ってた…?ってどういうこと?」

 桃花が聞いてくる。

「…最近、バスケに集中できないんだよな」

 俺は答えた。

 今更、嘘でしたなんで言えないから。

 バスケじゃなくて、オマエと両思いだって思ってたなんて言えなくて。

「なんで?」

「ある女が頭から離れない」

 俺はまた口走った。

 その女は今俺の目の前でアホ面してるヤツだなんてやっぱし言えない。

「誰?」

 桃花に聞かれ、俺は咄嗟に

「…竜胆楓」

 桃花の親友の名前を出した。

 桃花の目を見開かれる。

< 125 / 166 >

この作品をシェア

pagetop