どうしようもない幼なじみに…
「へ、へぇー…そうなんだ…お似合いだね…」
桃花はそう言ってほほ笑む。
その笑顔が作り笑いだってことはすぐにわかったけど。
俺は何も言わなかった。
さっき言ったことは全部ウソだったなんて言えなくて俺は嘘に嘘を重ねて、桃花を傷つけた。
俺は桃花とずっと一緒にいたからわかるんだ、桃花が考えてることも気持ちも。
桃花が俺のことを気にかけてくれてることだってわかってた。
けど、桃花に嘘ついたことだけは言えなくて。傷つけたこともわかってるけど、嘘だなんて言ったら桃花はきっと…余計に傷ついてしまう。
「私、帰るね」
桃花が立ち上がった。
「…あぁ」
俺は桃花の後ろ姿を見送った。