どうしようもない幼なじみに…
◆◇◆◇
「俺は、バスケ一筋だっつってんだろ。ほかの仮入部なんか興味ねぇよ」
大和がバスケットボールを突きながら言う。
「へぇ?じゃあ、今のうちに決めておいた方がいいよ?」
私と大和の会話に入ってきたのは男バスでシュート練習をしていたメガネの人。
「何が?」
敬語を使う気なし――つまり、先輩を敬う気なしの大和がタメ口で聞く。別に気にしないらしいメガネの先輩はニコニコして
「ここの男バスでは本入部前に監督に約束しなくちゃいけないんだ。目標とかをね。で、守れなかった部員は罰ゲームで服を脱いでグランド十周させられるんだ。それとね、青春は全てバスケに奉げるんだよ?恋も熱い友情も全てバスケに回さなくちゃいけないんだ」
よかった、女子で。
私はそう思った。
隣を見ると大和は「男子で生まれなきゃよかった」って顔をしていた。
◆◇◆◇
思い出して私はまた小さく笑った。
女バスの廃部の原因は三年生が引退したあと、部員が急激に減るから。でも、他にもある。主将(キャプテン)が煙草を吸っていたことが、判明したから…――。いくら本音を言える大和にも、それだけは言えなかった。