どうしようもない幼なじみに…
大和の命令
暇だった。
廃部が決定したうえに、ゴールデンウィークの間、活動禁止なんてありえない。
私はベッドの上に寝転んだ。
今日はゴールデンウィーク初日。こんな暇な生活が暫く続くのかと思うと泣けてくる。
部屋の片隅に転がった新品のバスケットボール。
入学式のお祝いに父さんが買ってくれたんだ。「高校でもレギュラー目指して頑張れよ」って言って買ってくれた。なのに、使わずじまいなんてあんまりだ。
私はベッドから起き上がってボールを持った。
動きやすいジャージに着替えて部屋を出る。
「どこ行くの」
母さんが台所から顔を出す。
「バスケしに行くの!」
「もうすぐ昼ごはんよ?」
母さんが水道の水を出す音が聞こえた。