どうしようもない幼なじみに…
俺は後ろを向いて手招きした。
後ろでスタンバっていた後輩の妹が顔を出す。もちろん、事務所の後輩の妹だ。
「こんにちは」
後輩の妹はグラビアなんだよな。
俺は大和っちと桃花っちを見た。
「俺、この子――麗華ちゃんと仲いいんすけど、ダブルデートしないっすか?」
俺は、二人の反応を確かめる。
この二人は付き合い始めてからまだ一度も恋人らしいことをしていない。…キスを除けば、だけど。
「…いいんじゃない?」
「…ダブルってのが癪だけど…まぁいいか」
答えつつも、大和っちの視線は麗華ちゃんの胸元に釘付けだった。桃花っちはそんなことに気付いていないのか、それとも気にしていないのか何も言わない。
麗華ちゃんを誘ったのは間違いだったか、そう思ったけど、もう後戻りはできなかった。