どうしようもない幼なじみに…




◇◆◇◆


「あ、この魚綺麗」

 桃花っちが水槽を指さして言った。一泊二日のダブルデート。初日は水族館だ。

「桃花のが綺麗だよ」

 大和っちが桃花っちの髪を撫でる。桃花が嬉しそうに笑う声が聞こえた。

「大丈夫?」

 俺は麗華ちゃんに聞かれて戸惑った。

「え?あ、あぁ…大丈夫」

「桃花さんは、凌太さんの好きな人だったんですよね?…いいんですか?あんな野蛮人みたいな人とくっついちゃっても」

 野蛮人…ね。俺は心の中で苦笑した。

「桃花っちが大和っちを選んだんすよ。だから俺は気にしないっす。…まぁ、嫉妬くらいはするっすけど」

 俺が答えると、麗華ちゃんはクスクス笑った。

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