どうしようもない幼なじみに…
「桃花っちに大和っち、ですか。変わったネーミングですね」
麗華ちゃんの言葉に、何故か胸がチクッとする。
「…え?」
「でも羨ましい。よほど大切っていうか信頼してるんですね」
俺は頷いた。
「二人は幼なじみっすから」
「羨ましいなぁ…」
俺は二人を見た。水槽の前でキスをする二人を見ていられなくて俺は麗華ちゃんの肩を抱くと奥へ進んだ。
「…私で良ければ、相手になりますよ?…桃花さんの代わりにはなれないですけど、失恋のショックを癒すくらいならできますから」
麗華ちゃんが俺を上目づかいで見上げる。
一瞬、お願いしようとしてやめた。そんなことしたら、麗華ちゃんが傷ついてしまうから。
「ありがと。でも俺は平気っすよ」