どうしようもない幼なじみに…
大和side
風が吹く。
公園に一人残された俺は、桃花の走り去った方角を暫く見つめていた。
バスケをしたいが、生憎ボールは持ち合わせていない。
時間はまだだいぶ早いし、学校に行けば練習をしているだろうけど、行く気もない。
「これから、どうすっかなぁ」
俺は呟いてから、ベンチに目を留めた。
ベンチには半袖Tシャツの金髪野郎が座っている。
「よう、久しぶり」
俺が声をかけると、そいつは俺を見上げた。
「あれ、大和っちじゃん?こんなところで何してるの?」
「大和っち…って、俺はたまごっちか!」
「正解。って、違うよ。昔からの呼び名じゃん?」
「昔からってなぁ…俺今、高校生だぞ。昔の呼び名で呼ぶな」