どうしようもない幼なじみに…
「別にいいじゃん?昔からの呼び名っって、すぐ定着しちゃうし――変えろって方が無理あるんじゃん?」
そう言うなり、金髪はボールを放った。
それはもちろん、バスケットボールだ。
「おい、凌太!いきなり何するんだ」
俺は咄嗟にボールをかわしてから金髪――凌太を睨んだ。
「今のボール、俺じゃなきゃよけれなかったぞ」
凌太は不敵に笑う。
同時に、ガコンという、ボールがゴールに吸い込まれた音。
俺はゆっくり後ろを向いた。
「なっ―――」
ボールはゴールネットを潜り抜け、コートに落下していた。
「やっと会得したんだ。小三の時に、君が教えてくれたどこからでもシュートを打つって技」
凌太は誇らしげにいい、それから顔を曇らせた。
「君が小三で会得した技を、高校生でやっと会得か。やっぱり君はバスケの天才じゃん?反則的だよね、ここまで来ちゃうと」