どうしようもない幼なじみに…
大和の顔にバスケットボールが直撃した音だった。
「大和、大丈夫?」
そっと聞くと、大和は半眼をあけて、金髪の人を見上げた。
「どんなけ強く投げたんだ、バカヤロー」
「ゴールボードに跳ね返されたボールが大和にあたったのよ」
私が言うと、金髪の人が頷いた。
「そういえば大和、この人誰?」
私は金髪の人を指さして聞いた。
「え?凌太だけど」
「凌太?―――って、えぇ!?あの、凌太!?」
私が驚いてみせると、大和はしかめっ面をした。
「声でけぇよ。つか、なんだその大袈裟なリアクションは」
大和はあきれ顔で上体を起こす。
「大袈裟じゃないよ!だって、あのフェアリーフォールの凌太くん!?」
大和が眉間に皺を寄せた。