どうしようもない幼なじみに…
★ONE★
バスケ=青春!
隣のコートで大和が暴れまくっていた。
オレンジというより茶色いバスケットボールを体の一部みたいに操ってディフェンスの五人を抜く。
タンッと軽く右足で床を蹴り上げ、高くジャンプ。
ダンクシュートが決まった。
私は練習の手を止めて、大和の暴れっぷりを見つめてしまった。
頬を伝う汗を拭う大和の紺色の目と私の目がバチッと合う。
瞬間、大和は私にウィンクした。
「…さん!桜井さん!」
私は呼ばれて我に返る。
「練習サボらないで」
「すみませんっ」
私は練習に戻った。
もう一度大和を見ると、大和は腹を抱えて爆笑する真似をしている。
私はムッとして、親指を下に向けてみせた。