どうしようもない幼なじみに…
大和side
それは突然の出来事だった。
桃花の放った3Pシュートがゴールに跳ね返され、ボールを追っていたディフェンスの凌太に直撃した。
「いったぁあああっ!」
凌太が鼻を押さえて絶叫する。
見ると鼻血が出ていた。
「わっ、どうしよっ…」
桃花が慌てる。
「ここから近いのはオマエの家だな。運ぶぞ」
俺の提案に、桃花は大きく頷いた。
俺が凌太を背負い、桃花は凌太の荷物を持って桃花の家へ向かった。
家に入ると、凌太のことを知っている小母はさん「あら、戻ってきたのね凌太君」と嬉しそうに言って、それから救急箱を取りに二階へ駆け昇って行った。
桃花はというと、小母さんの反応に困惑しきった様子で凌太と小母さんとを見比べていた。