どうしようもない幼なじみに…



「骨に異常はなさそうだし…血が止まれば大丈夫よ」

 小母さんは凌太の肩を優しくたたいた。

「ねぇ、母さんは凌太のこと知ってるの?」

 桃花が聞いた。

「アンタ、忘れたの?」

 小母さんが驚いた様子で聞き返す。

「小母さん、桃花は記憶レス少女なんだぜ?」

 俺が耳打ちすると、小母さんは納得したように手を打って

「そういやそうだったわ」

 そう言ってる時点で小母さんも記憶レスのような気がする。

「桃花、凌太くんはアンタと大和くんの幼なじみよ。ほら、幼稚園の時に転校しちゃった子、いたじゃない?」

 小母さんが説明するが、桃花は首を傾げたままだ。

「…―――怪鳥ラドン」

 不意に凌太が口走った。

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