どうしようもない幼なじみに…
「お前ら、早ぇのな」
俺は、何の気もなかったようなそぶりで声をかけた。
「あ、来た来た!」
「ったく、二人とも声でかすぎ。向こうまで会話聞こえてたぞ」
俺が言うと、桃花は口を隠して戸惑ったような表情を見せた。
「何戸惑ってるわけ?」
「別に、戸惑ってなんかないっ!」
桃花の顔がみるみる赤くなっていく。
「…とりあえず、体育館入らなきゃ、じゃん?」
凌太がふざけた口調で言った。
「そ、そうだね。先輩たちも待ってるだろうしね」
桃花の赤かった顔がもとに戻って行く。
「大和っち…俺は本気だから。バスケが、よりうまい方が桃花っちを手に入れられる…」
凌太が、俺を抜く瞬間に囁いた。
「…くだらねぇよ」