どうしようもない幼なじみに…
「…―――襲うぞ?」
桃花の白い顔がみるみる赤くなっていった。
「な、何言ってるの、大ちゃん!」
桃花はパニくると俺のことを「大ちゃん」と呼ぶ。
たぶん、大和の大から文字ってるんだろう。
つまり、桃花は今、パニくってる。
「お、襲うって何!?」
俺は桃花の頭を撫でた。
「意味知らねぇの?」
「……あ、もしかして私のお金ほしいの?あんまり持ってないよ?」
桃花が真面目な顔で答えた。
スリとかと勘違いしているらしい。
「桃花、オマエ…鈍すぎ」
俺が言うと、桃花はポケットやカバンを探り始めた。
「どうした?」
「もう財布盗っちゃったの!?」