どうしようもない幼なじみに…
◆◇◆◇
「どうしたんだよ、元気ねぇな」
帰り道、大和に聞かれた。
そりゃ元気もなくなるよ。私はバスケが好きだけど、大和と違ってうまくないもん。才能ある人ってホントにうらやましい。
なんて思ってると、髪をくしゃっとされた。
「ちょっ――何するのよ」
「俺はさ、お前のバスケ好きだぜ?俺より後に始めたくせにやたらうまいし」
元気づけるために言ってくれたのか、本音か。私が口に出していない言葉への励ましを大和が口にした。
「え?」
「どうせ、自分は才能がないとかグダグダ考えてたんだろ」
うぐっ…図星。
「図星だろ。俺はオマエの幼なじみだからな。口に出さなくたって、お前の気持ちとか考えてることは全部わかるんだよ」