どうしようもない幼なじみに…



 そう呟いて大和は歩く速度を上げた。

「待ってよ!」

「またねェよ!」

 大和は言うなり走り出す。

 大和ってホントに足が速いんだなぁ…。

 私は走り去る大和の背中を見て思った。

 大和の走る速さがあんなに速いのは、生まれつきの才能ってのもあるけど毎日走りこんでるからなんだ。

――俺、中学入ったら一年生でレギュラーになるんだ!

 そう語った小六の大和が脳裏に浮かぶ。

 バスケの為にあんなに頑張れるなんて大和がバスケ大好き少年を通り越して、ただのバスケバカだよね。

 私は見えなくなりそうな大和の背中を見てクスッと笑った。

 それから消えかけの大和の背中を追って走り出した。

――レギュラー入りしたときは、お前も一緒だからな。一年生でレギュラー入りってのは二人の約束にしようぜ。

 
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