どうしようもない幼なじみに…
手足をばたつかせる凌太は、正直アイドルっていうよりかはお笑い芸人だった。
「凌太、お笑い芸人みたいだねー」
私が言うと凌太は頬を膨らませた。
「俺はれっきとしたアイドルだよ、桃花っち」
その言葉で、周りの人たちが振り向いた。
「あれって、フェアリーフォールの凌太くんじゃない?」「生で見てもかっこいいじゃん!」「あれてカノジョ?」「悔しいけどお似合いだね」
皆がワイワイ喋っている。
「凌太…」
「気にするな。ほら、さっさとレジ済ませて帰るぞ」
凌太は力強くいい、空いたレジに進んだ。
「ホントに奢ってくれるの?」
そう聞くと、
「気にしなくていいっすよ。俺が買ってあげたいんだし」
その答えに、意味もなくドキドキした。