どうしようもない幼なじみに…
大和side
家に帰ると俺はベッド脇に転がるバスケットボールを抱えて家を出た。
家から歩いて三分、走って十数秒の場所にあるのはバスケコートだ。
俺はそこでバスケをするのが好きだ。
バスケコートに足を踏み入れ、シュート練を始める。
体育館でバスケをするとバッシュと床が擦れ合ってキュッと音を立てるが、外は足元がアスファルトなためか音が鳴らない。
キュッて音は俺からしてみればバスケを激しくプレイしてるって実感が湧く音だから、外でバスケをするとなんだか物足りない気がした。
俺はドリブルをしながらバスケゴールの下に潜り込んだ。ボールをゴールの外側へ投げる。二次関数のグラフみたく放物線をえがいたボールはコートに戻ってきてゴールネットに潜り込んだ。
スパッとボールがネットを抜ける音。この音は外でも中でも聞ける音だ。
いつでもいかなる体勢でも、どこからでもシュートが決まる。それが俺のシュートの特徴だ。否、一つ訂正しよう。どこからでも入るが、3P(スリーポイント)だけは入るときと入らないときがある。