どうしようもない幼なじみに…
レジを済ませて浴衣のコーナーに行くと、ジンベエを眺めている大和がいた。
「大和、ジンベエ買うの?」
「ん…どうしよっかな」
大和がよっこいしょっとオッサンみたいな掛け声で立ち上がる。
「もう少し考えるわ。オマエは?」
「あ、そうだ。ねぇ聞いて!凌太がね…――」
「黙れ」
いきなり遮られた私は頬を膨らませた。
「ひどっ」
「悲しいのは、俺の方だぞ?」
やれやれって言いたげな顔をする大和に、私は首を傾げてみせた。
「大和っち、ジンベエ買うなら早くしてくんない?俺、買いたい本があるんだけど」
「じゃあ一人で行って来い」
大和がシッシッてする。
「一人!?」