どうしようもない幼なじみに…


 
 レジを済ませて浴衣のコーナーに行くと、ジンベエを眺めている大和がいた。

「大和、ジンベエ買うの?」

「ん…どうしよっかな」

 大和がよっこいしょっとオッサンみたいな掛け声で立ち上がる。

「もう少し考えるわ。オマエは?」

「あ、そうだ。ねぇ聞いて!凌太がね…――」

「黙れ」

 いきなり遮られた私は頬を膨らませた。

「ひどっ」

「悲しいのは、俺の方だぞ?」

 やれやれって言いたげな顔をする大和に、私は首を傾げてみせた。

「大和っち、ジンベエ買うなら早くしてくんない?俺、買いたい本があるんだけど」

「じゃあ一人で行って来い」

 大和がシッシッてする。

「一人!?」

< 70 / 166 >

この作品をシェア

pagetop