どうしようもない幼なじみに…
夏祭り☆
夏祭りの日。
家から出てきた大和を見て、私は「どうしよう」と思った。
もちろん、大和がかっこよすぎてドキドキしたから…――
じゃなくて。
大和が真っ黒すぎて日が暮れた町の中に溶け込んじゃってるから。
こ、これじゃあすぐにはぐれちゃうよ!
「どうした桃花。俺のジンベエ姿に惚れたか」
意地悪な口調で言って大和はニシシと笑った。
「全く!大和がガングロすぎるのとジンベエが濃い紺色だからすぐはぐれちゃうじゃない!」
私が言うと、大和は鼻を鳴らした。
「ガングロじゃねーし。つかこのジンベエ選んだのオマエだろが」言ってから大和はニヤッと笑った。「そんなにはぐれたくなきゃ、手ェ繋ぐか?」
と、鳥肌が立った!
私は後ずさりした。
「ジョークだ。ジャパニーズジョーク」
そう言って大和は私の腕を掴む。
「な、何すんのよ!」
「早く凌太と合流するぞ」