どうしようもない幼なじみに…
大和side
途中から、何故か俺と桃花は手を繋いでいた。
案外素直じゃない幼なじみの手を強く握ってみると、桃花も握り返してくる。
こうしていると、恋人にでもなった気分だった。
「…のさ、桃花」
「ん?」
「あのさ、さっきから胸当たってるんだけど」
俺が言った途端、桃花の拳が俺の頬に命中した。
「あいた~っ!」
倒れた俺の上に、桃花が倒れこんでくる。プロレスか、と思ったけど、よく見たらそうじゃなかった。
桃花と俺は手を繋いだままだったんだ。
だから俺が倒れたら必然的に桃花も倒れちゃうわけ。
「…桃花。俺を押し倒すとはいい度胸じゃねーか」
俺が言うと、桃花は顔を真っ赤にした。