どうしようもない幼なじみに…
桃花side
私は凌太と手を繋いで歩き出した。
後ろから遠慮がちに歩く大和が気になるけど、夜店を回っていると人ごみで凌太とはぐれてしまった。
「あれっ…?凌太!?」
私は凌太の名前を呼びながら前へ歩き出して――
「きゃっ!」
下駄が石畳の道に引っかかってバランスを崩した。
「気をつけろよ」
胸のあたりに色黒の腕が回された。
転びかけた私を、大和が抱き起してくれたんだ。
「大和、ありがと」
私は大和の顔を見て微笑んだ。
気のせいか、大和の顔が赤かった。