どうしようもない幼なじみに…
私の言葉に、
「どういう差別だ?」
大和が低い声で言った。
げげっ…聞かれてた!
「…俺に苛められたいわけ?」
大和はそう言って私の髪の毛をグイッと引っ張る。
「いひゃい!!」
髪の毛を押さえて言うと、大和はニヤッと笑って。
「ごめんなさいって言え」
「ごめんなさい」
仕方なくいうと、大和は満足そうに頷いた。
「ところで凌太。オマエ何してたんだよ」
「人波に流されて気が付いたら二人がいなかったんで探してたんす。そしたら俺のファンに見つかってサインをねだられちゃったんじゃん?」
あ、呆れた…。
「ドアホ!アイドルならアイドルらしくサングラスかけるとかしやがれ!」
大和が腕を組んでいった。
「次からは気を付けるッス…」
私は二人を見て「よっし」と頷くと
「夏祭り楽しもっ」
二人の手を掴んで歩き出した。