どうしようもない幼なじみに…
地獄の合宿 part2
「もーやだぁ!」
私の隣で凌太が叫んだ。
凌太は顔を真っ赤にしてタオルで顔を拭う。
私は持っていたクーラーボックスからお茶を出すと凌太に差し出した。
「おっ、サンキュー桃花っち。さすがマネージャー!」
凌太はお茶をがぶ飲みすると制汗剤を体に吹き付けた。
自然系の香りが凌太から漂ってくる。
「凌太、さすがアイドルだねー。制汗剤もいい匂いする」
「制汗剤も、ってことは俺、いつもいい匂いする?」
凌太に聞かれ、私は頷いた。
凌太は嬉しそうな顔をして
「よかったー!俺、匂いにはホントに気を遣ってるんすよ」
と言った。
「おい凌太!早く練習戻れよ!」
大和が叫んだ。大和は凌太以上に汗だくで、ちょっとひくかも。
「キャプテーン、俺も少し休むわー!」
大和はキャプテンに声をかけて私が座ってる体育館の壁際に来た。