どうしようもない幼なじみに…
私は体育館のドアに手をかけた。
「オマエ逃げすぎ」
大和はそう言うなり、私の髪をくしゃっと掴む。
「あだっ…痛いよ大和」
私が大和を見上げると、大和は「わわっ」と慌てだした。
どうしたんだろ。
「涙目で上目遣いとかオマエ…狙ってる?」
汗だく大和が顔を赤くして聞いてくる。
あ、暑苦しい…!
私は体育館から出た。
「あ、大和っちのせいでマネージャー逃げちゃったじゃん!」
凌太が笑いながら言う声が体育館のドアの閉まる音に混じって聞こえた。
一応、夏休みが明ける前の十日間が夏合宿のpart2ってことになってる。んだけど、民宿に泊まる合宿は明日からで初日の京はまた学校で合宿をする。
私は夜ご飯の用意をするために家庭科室へ向かった。