どうしようもない幼なじみに…
桃花side
バスで三時間かけて私たちは合宿先へ向かった。
部費を奮発した甲斐あって、民宿は綺麗。
「うおっ!すげーっ!」
「こりゃいいな!」
「さっすが桃花!」
皆が民宿と、ここをチョイスした私を褒める。なんか男子って単純だなー。
「中入ろうぜ」
一人を除いて。
大和は私の腕を掴むなり民宿に足を踏み入れる。
「ちょっ…大和ぉ!」
「うっせ。静かにしろ」
大和は珍しくきっつい言い方で言うと荷物をソファに投げ入れた。
「桃花っち、大和っち早いっすー!」
後ろから凌太も追いかけてきた。
「桃花、俺らの部屋どこ」
「えっとね、302号室」
私は大和に言って、キャプテンに鍵を渡した。