どうしようもない幼なじみに…


◇◆◇◆

 私は練習を見ながらため息をついた。

「…どないした?」

 水分補給でコートを抜けてきた今川さんが聞いてきた。

「え?どうもしないですよ」

 私は今川さんに言った。今川さんは首を傾げる。

「悩んでる顔してるけどなぁ」

 私は部員全員の情報が記載されているボードを見て、「実は…」と打ち明けた。

「私たちがインター・ハイに出れなかった原因って、大和が暴力事件に巻き込まれたからじゃないですか…」

「あ、あぁ、そういやせやったな」

 そう、私たちがインター・ハイに出られなかったのは、大和が公園で暴力事件に巻き込まれたせいだった。

「あの後から、大和の動きが鈍いような気がするんですけど」

「…言われてみれば、前みたいな速さでは動けてないなぁ」

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