どうしようもない幼なじみに…
今川さんが背伸びする。
「…才能のことですか?」
「いやいや。こーんな可愛い幼なじみなんて羨ましすぎるわ」
今川さんは、私の頭をポンと叩くとコートに戻って行った。
私は、今川さんの言葉と態度にポカーンとしてしまった。
「い、今の……何?」
◇◆◇◆
民宿の部屋に戻ると私は備え付けの浴衣に着替えた。
合宿って言ってもマネージャーの私にとってはあんまりきついものじゃないからね。旅行気分でいられるわけ。
「今日は早めに寝て…明日は早起きしよっかなー」
なんて思っていると、部屋のチャイムが鳴った。
「ん?何だろ」
私は民宿のスタッフさんかなー、なんて思いながらドアを開けて―――絶句した。