私だけの王子様
『千夏は、本当に立花くんの事･･･良いんだね？』


その一言で心臓が大きく飛び跳ねる。
何を言われるのかと思うと悠斗の事だったから･･･。


「･･･うん。だって別れたんだよ？それに悠斗とはゲームの様な恋愛だったじゃん？」


そうだよ。
悠斗とは恋愛ゲームをしていたみたい。
一ヶ月と決まった期間限定の恋愛ゲーム･･･。


『そっか。でも、千夏は立花くんと別れた後、立花くんの事を考えたりしないの？』


そんな質問をされて、良く考えてみた。
悠斗の事を考えたり思ったりするのは毎日の事だよ･･･。


「私･･･毎日、悠斗の事を考えてる。付き合っている時は悠斗の事を、あまり考えたり悩んだりしなかった。」

「うん。今は悩んでるんでしょ？」

「･･･別れた後ってどうしても悠斗の事を考えてしまうの･･･。」と、沙耶に今の自分の本音を告げた。


『それは好きだからじゃん？』

「･･･好き？」


初めて言葉にした“好き”
私は、悠斗が好き････？


『そうだよ。だって千夏、こんなにも立花くんの事で悩めるじゃん！それは立花くんの事を想っているからでしょ？』


初めてちゃんと自分の気持ちがわかった気がする。
私は悠斗が好きなんだと。
初めて知った自分の気持ちが嬉しくて、ちょっぴり恥ずかしくて不思議な気分になった。
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表紙・目次

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