野獣に魅せられて・・・
・・・

唇が離れ、我に返る。

そんな私の口から出た言葉は、

「・・・こんなことしても、

私は潤也を好きにならない。

私の彼氏は正樹だけだから」

・・・

私の言葉に、

あの事を同じ、切ない顔の潤也。

・・・

その顔に、

心が締め付けられそう。

・・・

私の心の奥底に、

隠されたあの時の気持ちが、

殻を破って、

飛び出してしまいそうになる。

・・・

「出てって・・・

これから仕事でしょ?

私も、仕事だから・・・」

・・・

私に手を握っていた潤也は、

そっと私から手を離した。
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