野獣に魅せられて・・・
・・・・

表情が固まる。

・・・

ここはあまり人の通らない廊下。

・・・

そこで、

よりにもよって、

潤也に出くわすとは・・・

・・・

…ビクッ。

・・・

突然私の、

唇の横を拭った潤也。

・・・

「なっ」

「口紅がはみ出してる・・・

さっき、矢野先生とすれ違ったんだけど、

こんなみだらな唇にしたのは、

矢野先生・・・?」

・・・

ちょっと思い出してしまい、

真っ赤な顔になった私。

・・・

「…妬けるな」

そう言った潤也は、

不意打ちに、

触れるだけのキスを、

そっとすると、

廊下の向こうに消えて行った。
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