野獣に魅せられて・・・
・・・

正樹が出ていって、

数時間後。

・・・

インターホンが鳴った。

・・・

「・・・はい」

『夜遅くすみません。

隣に引っ越してきたものなんですが、

挨拶だけでも、と、思いまして』

・・・

インターホンから聞こえてくる男性の声。

・・・

ここに住み始めて数年。

なぜかずっと空き部屋だった隣。

・・・

そこに入居者が来るなんて、

ちょっと驚き。

・・・

私は軽く深呼吸して、


「はい、すぐに開けますね」

そう言ってドアを開けた。

それと同時に、


「初めまして、伊藤と言います」

と言う声が聞こえた。
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