SUGοЯοKU
明日香は、井上のところにいった。
『矢野は、怖くないのか…』
『なんのこと??』
『いやっ…別に…』
怖いよ…。だって、今みんなが殺しあいしてるんだよ?しかも、誰が生きていて、誰が死んでいるかわからない。みんなは、どこにいるの??今…なにをしているの…?今…なにを考えているの…?私??私は…。わからない…。私も自分でも何を考えてるのかわからない…。ねぇ…神様??教えて下さい。どうして私達が闘い、傷つけあわないといけないのですか??
明日香の目から涙がこぼれた…。
『矢野…。どうした?大丈夫か…』
『大丈夫なんかじゃないよ…。もう…無理…。うわぁーー。』
明日香は、声を出して泣いた。すると井上は、明日香を自分のほうによせた。
『矢野…。大丈夫だよ…大丈夫…。俺は、お前を守る…だから泣くな…泣くな…』
明日香は、もっと泣いてしまった。だって、井上が優しくするから…。心細かった気持ちは、だいぶやわらいだ。震えもとまった。明日香は、井上と目をあわして立ち上がった。そして、歩いた。井上の袖をつかんで…。バンッ!バンッ!まだまだ聞えてくる…。このゲームが終わるのもあと1時間ぐらいだ。あと1時間…。いつもなら短いじかんだが、今日は、とても長く感じた。
『あの…、なんで井上くんは、1人なの??』
『えっ?俺??俺は…』
井上は、説明しはじめた。井上は、最初、加藤と一緒に行動していたらしい。運よく、誰ともあわなかった。そして、森のほうに歩いた。すると、3人組の女子達が現れて、井上と加藤に銃をむけたのだ。すぐにキレる加藤は、ポケットから銃を取出し、女子全員を射殺した。銃を撃って人を殺した感覚がとても楽しくて、どっかに1人で走っていった。井上を置いて…。そして井上は、1人ぼっちになり、森をさまよった。そして、出会ったのが明日香達だった。
『さっき、加藤くんにあった…よ。』
『えっ?どこにいた?教えてくれ…!あいつは、また人を殺す。止めないと…』
井上は、明日香の両肩を両手でつかんだ。
『加藤くんは、人を殺さないよ…』
『よかった…。あいつは、キレると手におえないからな…』
『殺さないというかもう殺せないんだよ…。』
『どういうことだ?』
井上は、明日香の肩を強くつかんだ。
『明菜が殺しちゃったの…。別に明菜がむやみに殺したんじゃない…加藤くんが私達を殺そうとしたの…。だから、明菜が…。』
『そっかぁ…』
井上は、両手を明日香の両肩からはなした。井上は、下をむいて泣いていた。明日香は、井上が泣く気持ちがわかる。だって、井上と加藤は、ものすごく仲が良かったのだから…。学校にいく日も一緒。行かない日も一緒。ケンカする時も一緒。なんでも一緒だった。そんなやつが、いきなり変わって死んだなんて…。
明日香は、何度も井上の背中をゆすった。
『なにいちゃついてんだよぉ!』
2人の目の前にあらわれたのは、加藤だった。死んだはずの加藤が目の前にいた。
『なんで加藤くんが…』
『加藤…お前どこに…』
井上は、加藤に近づいていく。
『こっちくるなよ…井上。男でも、俺は殺すぞ!』
『加藤、人を殺すのは、やめろ!!』
『なにいってんだよ。自分の命を守らないといけねぇんだぜ?しってるか?』
井上は、歩くのをやめた。
『わかってる。でもお前は、あんなにいいやつだったじゃないか…。』
『なにいってんだよ!綺麗ごというんじゃねぇ』
バンッ!
加藤は、銃をうった。弾は、井上の横腹にかすれた。
『井上くん!大丈夫??』
明日香は、井上にかけよった。井上の横腹からは、少量の血がたれた。
『なんだなんだ?!お姫様のご登場ですかぁ?いいなぁ…井上は。守ってもらえる子がいて…』
『加藤くん、人をうつなんていけないわ。銃を置いて!!じゃないと私があなたをうつわよ!』
明日香は、カバンの中から銃をとって、加藤にむけた。人生で初めて、銃を握った。
『へぇー。俺は、うっちゃダメなんだぁ…。なのに自分は、俺をうつって??なんか文章おかしくない??』
『うるっさい!銃をおかなかったらうつわよ!!』
明日香は、本気ではない。でも、こういうことを言わないと、加藤は、本当にやらかしてしまう…。
『加藤!!』
井上が立ち上がった。