SUGοЯοKU

夢の中で何度もさけんだ。夏子…夏子と…。

『ピンポンパンポーン。おはよーございます!朝の9時でーす。よく眠れましたか?昨日死んだ人は、54人です。なので今生き残っている人は、32人…。意外に生き残ってるんですね…。でも今日は、たくさん死んじゃうんじゃないかなぁ…。だって今日のゲームは、個人で闘うんだから。みなさん今からは、チームなんてどうでもよくなるんです。昨日まで信頼していた仲間があなたを…。じゃあね!』

今からは、孤立…。1人で闘わなければいけない。誰もしんじれない。みんなと闘わないといけないし、自分とも闘わないといけない。今日は、昨日より大変だと思う…。そう、明日香は思った。明日香は、湖の水をまた飲んだ。そのあと近くにあった洞窟のようなところにいった。洞窟の中は、暗くて静かだった。時々、水がポタポタと落ちている音がした。

『キャッ…』

明日香は、何かをふんでしまった。

『だれ?そこにいるのは…』

その声は、洞窟の奥から聞こえた。

『えっ…明日香…矢野明日香…。』

『明日香??明日香ー。』

明日香のほうにゆっくり歩いてきた。歩いてきたのは、夏子だった。夏子は、左足をおさえながらきた。

『夏子、その足どうしたの…??』

『うたれちゃった…。』

『誰に?』

『不思議ちゃんに…。』

『えっ??不思議ちゃんが…?』

『でも、私も撃っちゃったの…。殺しちゃった…。殺す気なんかさらさらなかった…。でも…でも…』

夏子は、足をおさえながら倒れこんだ。泣き出す。明日香は、夏子を抱き締めた。明日香だってわかってる。夏子がふざけて人を殺すわけないって…。

『夏子は、自分を守ろうとして殺しちゃったんでしょ?自分の命は、自分で守る…。夏子の選択は、間違ってなんかないんだよ…。』

『明日香…』

明日香もなきだした。明日香がふんでしまった遺体は、不思議ちゃんだということがわかった。不思議ちゃんは、夏子と気付かずに銃をうった。その弾は、夏子の左足にあたった。夏子は、怖くなり、手慣れていない銃を何発もうった。その弾が不思議ちゃんの体のあちらこちらにあたり、死んでしまった。

明日香は、夏子の左足をおさえた。明日香は、そのへんに落ちていた石で制服のシャツの下のほうを切った。切った部分を夏子の傷口にまいて、ふさいだ。

『夏子?このままここにいても、逃げ道はないよ。だからここから逃げよ。別のところにいこっ!たてる?』

『うんっ。』

夏子は、足をふらだたせながらたった。明日香の肩をもって進んだ。その時、洞窟の入り口に人影が…。

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